2017年3月16日木曜日

これぞ大歌舞伎! 仁左衛門さんの「渡海屋・大物浦」


今月の歌舞伎座は「どんつく」だけ幕見しようかな
と思っていたのですが、「名君行状記」と「碇知盛」の
評判がよいので、昼の部丸ごと見ることにしました。


歌舞伎座で昼夜二部制のうちの一つをがっつり見るのは
昨年の秀山祭以来です!


今日のお席はチケキャンで見つけた1階後方だったのですが、

ああ、前の方が大きな人でないといいな・・・

と昨夜はちょっと心配でしたが、
普通の大きさの人だったのでほっとしました。

それに、ドセンで、とっても見やすかったです。




「渡海屋・大物浦」は、昨年6月の
染ちゃんと猿之助さんのものが初見で
その時は幕見だったので4階から見ました。

やはり4階と1階では、ずいぶん見え方が違いました。

が、そういうことよりも、

とにかく、

今回の知盛、凄かった!!!


おそらく、今後、今日の知盛以上のものは
見られないのではないかと思うし、
たぶん、私は見にいかないんじゃないかな、と。

というのも、

あまりにも今日の知盛がよかったので!


おかげで「渡海屋・大物浦」というお芝居のよさが、
初めてわかりました。


もう、とにかく、ニザさまがすばらしくって!

銀平で花道から出てきたときから、
もう、かっこよすぎです。

そして、

姿形だけでなく、ここ(胸・腹)がいいんですよ!

人間味あふれる銀平実は知盛でした。


古い時代の人生を見ているという感じではなく、
今そこにいる人の生の人生を見ているような感覚になりました。

ほんと、よかったなあ。

銀平のときは関西イントネーションが入って
それがなんとも色気がありました。

白装束では決意がとてもよく伝わったので、
後に血だらけになって出てきたときが哀れで。

その血も生生しくって。

喉が渇いて、胸に刺さった矢を抜いて、
矢先に付いている血をすするところなんて、
ぞくぞくしました。


ほんと、ニザさま、すばらしかったです。
とても私の貧しいボキャブラリーでは語れません。

帰りがけに舞台写真じっくり見ちゃいました。



他の役者さんもよかったです。

時蔵さんのお柳実は典侍(すけ)の局の品のよさ。

みっくん相模五郎の血気盛んな様子。
それから、顔芸も!


猿弥さん入江丹蔵はかわいかったな。

でも、魚づくしのところは、みっくんも猿弥さんも
もうちょっとタメてもよかったんじゃないかな。
早かったんで、もったいなかった。


後半、みっくん相模五郎のスカル付きの鉢巻きをした
拵えがすてきでした。腕が魚のうろこのように見えました。


そして、天才右近ちゃん。

6月のときよりずいぶん大きくなって、
男の子っぽくなってました。

ああ、あの時は、武田タケル君だったんですよね!
今はすっかり右近ちゃんです!

4月から小学校1年生。

子役は一本調子で話さなければいけない中、
工夫して感情を表現していました。


そして、声がいい!

透き通るような声!


普段の右近ちゃんは普通の声なんですよ。

やっぱり、天才だなあ!

今日は右近ちゃんには大向うが
かかっていなかったんですけど、
ぜひ、かけてほしいです。

右近ちゃんは、

「澤瀉屋!」

ですからね! 

よろしくお願いしま~す!


あ、そうそう、最後の彌十郎さん弁慶の法螺貝、
とっても大きな法螺貝でした。
音が出ていてよかった~。


仁左衛門さんは3月14日に72歳になられたそうです。
ホワイトデーがお誕生日だなんて、すてきですね。
それを知ったからには、毎年、ホワイトデーには
ニザさまを想うことでしょう。♪


劇評 → 





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